リハビリ、抗がん剤治療、自身で行う病気との闘い。有難くもすべてが順調。

病気平癒を誓う
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リハビリってこんなもの?

2019年
12月下旬

リハビリと言っても、先ずは、ベットに横座りする所から。

上体を起こすのは、ベットの力。
パラマウントベッド、本当に感謝です。
そこから、転落防止の柵を頼りに、もぞもぞ動きます。
大半は手で足を介助しながら動かすのですが
照れ隠しなのか、いい訳なのか、出来ないことの説明が口から溢れます。

座るポジションにたどり着くと、今度は、転落防止の柵が邪魔になります。
足をそのままスライドさせて足を下ろしたいのですが
柵がそれを拒みます。

柵を降ろして最初から。

「そしたら、今日は、この辺で終わりましょう」
えっ?もう終わり?
そりゃそうか、リハビリを受けるのは私だけではありません。
一人当たりの時間はそんなものか。

勿論、一人当たりの時間は限られています。
でも、時間だけの問題ではありません。
何故なのか、たったそれだけの動作ですら
リハビリの時には必ず装着する
パルスオキシメーターが示す心拍数が120を超えるんです。

心拍数が120を超えると、必ず、動作は中断され
心拍数が下がるのを待つんです。
リハビリ開始の当初は
心拍数の下がり待ち時間に血圧も計測されていました。

こんな事では、らちが明かない。
一人でも出来るトレーニングは何かはないのかと尋ねました。
「今できるのは、寝てる時にとにかく足を動かしてください。」
それだけ…。

同じことの繰り返しで1日のリハビリが終わるのは勿体ない。
本当はダメなのかも知れません。けれども、一人の時間で
転落防止柵を上げた状態で、座るまでの動作を何とか体に教えさせよう!

翌日のリハビリは、自主訓練の甲斐もあり
柵が下がった状態でも、手で足を介助しながらも、
座る動作を行う事ができるようになりました。

もう足をスライドさせて、下すだけなのですが
力が入らない足では、バランスをとりながら
ゆっくり下すことが出来ません。

自主訓練で何となく掴んだコツ。
体に、体の動かし方を、手順を覚えさせる感じで行うと
再現しやすいという感覚をつかんでいました。
いちいち声に出して、こうやってこうやってこうやって。

リハビリが終わっても、一人で繰り返します。
今考えれば危険な事かも知れません。
その時は、心拍数など知った事ではありません。

とにかく、今日訓練した動作は
翌日までにはマスターしておきたかったんです。

抗がん剤治療とリハビリ。そして…

気持ちははやります。

12月中旬に1回目の抗がん剤治療が始まりました。

  • エンドキサン(シクロホスファミド)(C)
  • ドキソルビシン(H)
  • オンコビン(ビンクリスチン)(O)
  • デキサート(デキサメタゾン)(P)(副腎皮質ホルモン製剤)
  • リツキシマブ(R)

いわゆる、R-CHOPといわれる標準治療です。

標準治療とは、科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療をいいます。

国立がん研究センターがん情報サービス 用語集より

とはいっても、ICU・HCUでの治療から一般病棟に戻って10日足らず。
体は治療に耐えれる状態ではなかったのでしょうか、
1回目のCHOP点滴投与は
薬剤をC (900mg)・H (30mg)・O (1mg) に減量して行われました。
Pは適時、数回、点滴投与されていました。

1回目のCHOPの点滴投与から10日が過ぎたクリスマスの頃
R (リツキシマブ)1回目の点滴投与。アレルギ反応が起きやすい薬。
滴下量をシビアに調整しながら点滴は慎重に行われます。
簡易な心電図モニターを装着して
4時間かそれ以上の時間を要す点滴です。

貴重なリハビリがその日は中止。
PT(理学療法士)さんとのリハビリは逃してしまいました。
年末を控え、年内に何とか目処をつけたいと考えていた私。
内心は凄く焦ります。

何だか怖そうな薬。
その日は大人しくして、自主トレもほぼしませんでした。
でも、私にはどうしても歩きたい理由があるのです。

吐き気止めのグラニセトロンは
抗がん剤の点滴の前に行われる事前の点滴。
これのお陰なのだろう。吐き気を覚える事も無く
順調にR-CHOP療法1クール終了。

その後、数日を要し、まだ立つには到底及びませんが、
上体を起こした状態で、足を何とか動かせるようになりました。
手で介助すれば可動範囲が更にひろがります。

自分のことながら、数日でなかなかの進歩と褒めたいぐらいです。

足が動けば先ずしたかった事。
自分ひとりで尿瓶をあてがい排尿すること。

早速、看護師さんに相談。
「尿瓶をあてがってもらわなくても自分で出来そう」

生まれてこの方、私には入院経験がありませんでしたので
病院では当たり前の事かも知れないのですが
私がお世話になる総合医療センターの病棟の看護師さん達は
自発的な申し出を、殊の外、喜んで応援して下さるのです。

「そっか、じゃあやってみよう!」
「PTさんからも、熱心で進歩が速いって聞いてるよ」
「自分でできるって嬉しいよね」

こんな言葉をかけてもらって、悪い気がする訳ありません。
モチベーション上がりまくりです。

体はまだまだ不自由でも、順調と思える気持ちが大切なのかも。


抗がん剤治療が受けられる事。
朝・昼・晩の食事は、辛くても全て食べる事が出来る事。
足はまだ、ほんの少ししか動かないけど、動いた事を喜べる事。

何より、一緒になって喜んで下さる看護師さん達。
そして家族。

この状況には感謝しかありません。
病気と闘う気が高揚します。
気持ちが前向きになります。

この酷い病状に陥った原因の一つ【病は気から】
この思いが、体の異変を見逃し
どんどんと病状の進行を許してしまいました。

でも、今感じている【病は気から】
この思いは、どんどんと、体が快方に向かう予感を感じさせてくれたんです。

心停止から1か月余り
活動レベル 5/100点
食事のみ一部介助で可能。それ以外、全介助が必要な状態だった私。

自分自身がそのような状態である事を当時は露ほども知らず
妻から聞かされたのは、容体の急変、心停止、そして心鼓動再開の経緯だけ。

心臓の鼓動が復活した。そう教えられたからなのでしょうか
何の絶望感を抱く事もありません。
今生きていられる事が奇跡。それだけで十分。有るのは希望のみ。

だからこそ、すべてを喜びに、感謝に感じる事ができ
全てを力として吸収することが出来たのかも知れません。

PTさんからのアドバイス。寝ていてもとにかく足を動かす。
太ももから動かす。動かした時の太ももの筋肉を意識する。

腹腔鏡手術。
恐るべし技術です。有難い限りです。
直径2~3ミリぐらいでしょうか
赤い小さなポツっとした点が1ヶ所に3個ぐらいでしょうか。

そんな跡が2カ所にあるぐらい。
傷と呼ぶには程遠く、むしろ、虫刺されの痕ぐらい。

足を動かす為には腹筋も必要です。
手術をしたと聞いていたので、恐る恐る自分の腹部を確認。
でも、虫刺され程度の傷口。傷が開く心配は無さそう。
腹部の痛みに耐えながらも、安心して自主トレを継続。

一般病棟に戻って以来、熱は一向に下がりません。
38℃強程の熱が続きます。

血液検査で炎症を示す項目
CRPの値は2~3超で、基準値の10倍程度の高値が継続しています。

原因を突き止める為の検査や、点滴箇所の変更等
対策を講じても変化はありません。

そもそも私は、発熱や痛みの原因は気にしていませんでした。
ましてや血液検査結果の各項目は、基準値を逸脱している項目が多いです。
そりゃそうでしょうよ。血液のがんを患っているのだから。
その程度の認識です。

ここは病院。今入院しています。手厚い看護を受けています。
これ以上の安心はありません。何の心配も不要です。
【病は気から】自分が病人であることすら忘れがちとなります。
とにかく歩きたい。この一心。

だらだらと残る腹部の痛み。
恐らくは、脾臓の影響なのでしょうが、日にち薬の認識。
元々、病院での処方薬以外、市販の薬に頼る事はほとんどしていません。
この頃になれば、敢えて痛み止めを飲む事はしませんでした。

上体を起こして足を何とか動かせるようになってから
ベットから足を下ろして座る事が出来るようになるまでは
もはや、自主トレの範囲で達成。

順調、順調。

自主トレとリハビリの相乗効果。

今日のリハビリのスタート。
自主トレの成果。さらりとはいきませんが
自分の力で足をベットから下します。

PTさんからの歓声。
「えー、どーして?何があったの?」

小柄な女性PTさん。
大喜びしてくれます。
「とにかく、早くあるきたいんですもんね」
「無理したんでしょね。きっと。」
「頑張りましょう!」

この病院は、とにかく、いい人ばっかり。
他の病院もそうなんでしょうが、心底モチベーション上がりまくりです。

自力で座り足を下ろせたことで、早速、足の筋力チェック?
筋力チェックとは程遠く、小柄な女性の片腕と私の足の力比べ程度。
下した足の付け根を支点にひざを上げたいのですが上がりません。
太ももをPTさんの腕で押さえて足を動かす力のチェック。

自主トレの新たな課題。
必ずナースコールボタンを傍らに置いて
ベットから足を下ろして、ひざを出来るだけ高く上げる運動。

利き足は右足なのですが、右足の力が、左足に比べて弱いんです。
左足は、どうにかこうにか、少しでも上がり始めるのですが
右足はなかなか動かしにくいのです。

それでも、諦めません。
少し無理をし過ぎたのでしょうか
体が物凄くしんどくなってしまいました。
熱も下がっていませんし、倦怠感が尋常ではありません。

それでも、PTさんが来られると
無理をして平常を装いますが、心拍数が上がったまま下がりません。
リハビリは中止です。
その分、寝たままで出来る運動を伝授頂きます。
寝た状態で、足を伸ばして、付け根から拡げたり閉じたり。

この運動がまた出来ないんです。
それでも諦めません。

先ずは、体調を戻すことを優先させます。
2クール目のCHOPの点滴が迫ります。
もう年の瀬も近く、治療のチャンスも逃したくはありません。
恐らく年内最後となるでしょう。

リハビリの開始直後とは比べられない程
足は動き出しました。
素人表現で恐縮ですが、運動の神経回路が次々につながって
どんどんと動き出してくれる感じ。

私はリハビリを受ける事で動けるようになるのだと思っていました。
しかし、それは違うと思います。

リハビリはあくまでも
神経や運動の回路や機能を目覚めさせてくれるきっかけ
目覚めさせてくれた回路や機能を
活性させるのはあくまでも自分自身である。

私はそう思いました。
リハビリだけを受けて、それ以外の自主トレを行わなければ
今どうなっていたんだろうか…。

これも闘いなんです。
体調が許す範囲で自主トレを続けない限り
望む結果に近づけないな。
おトイレで用を足すことは出来ないな。

~ To be continued ~




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