再びの脱毛。抜けた髪の毛との闘い
2020年7月末
一度目の脱毛からようやく生え戻ったかなと思って間もない頃
ほぼ9割以上の髪の毛が10日足らずで抜け落ちてしまいました。
私の行動範囲の動線にはおびただしい抜け毛が散乱。
妻には又余計な手間をかけてしまう事に。
私も気が付けば粘着テープでペタペタと
抜け毛を捕獲していました。
粘着面はほぼ抜け毛で埋め尽くされてしまいます。
それぐらいポロポロ抜けているんです。
ある時、掃除が面倒になってやけ気味に
残り少ない髪の毛を
掃除機で吸い込んでみたんです。
粘着テープで抜いたりもしました。
面白いぐらいに毛が抜けます。
痛くも何ともありません。
その後、鏡を見てみると
・・・やり過ぎたか…。
みなさん!こんな愚かな行為はおやめください。
私はつい掃除が面倒になり
抜け落ちる前に抜いてしまえとばかりに
安価に10分で仕上げてくれる散髪屋さんでの経験に着想を得て
やってしまったんです。
確固たる根拠はないのですが
掃除機で吸い込んだ部分や粘着テープで抜いた箇所は
髪の毛が生えて来るのが少し遅かった気がするんです。
抜け始めから、ほぼ10日間で一挙に抜け落ちましたから
生えるタイミングに大差はないと思うのですが。
ただでさえ、抗がん剤によりダメージを受けたであろう毛根に
無理?に髪を抜いたことで
更なるダメージをかけてしまったんではないだろうか?
抜け落ちずに踏みとどまれば
又しっかりと毛根に根をはってくれるのかな?
素直に考えれば、残っている髪の毛の毛根は強いように思うのですが
むしろ逆なのかも知れません。
抜け落ちなかった髪の毛の毛根はむしろ活性が低く
細胞分裂の勢いが少ない弱った毛根ともいえるのかもしれません(笑)
この様に抗がん剤でヘロヘロになった毛根。
いとも簡単に、痛みも無く抜ける髪の毛でも
不自然な力、無理に抜くことは
何らかの悪い影響があるのではないかと
今更ながら思っています。
髪の毛が抜け始めると
シャンプーをする時にも大量に抜けてしまいます。
シャンプーの時の外圧と掃除機や粘着テープで抜く外圧に
違いが有るか否か分かりませんが
シャンプーもデリケートにされた方が良いはずです。
考え方としては
抜け毛を洗い流すのではなく
抜けない様に洗う様に。
私は脱毛期の髪の毛をぞんざいに扱う、大きな間違いを起こしているはずです。
先生や看護師さんには相談していませんけど。
同じ境遇のお方や
これから抗がん剤治療をお受けになられる方はお気を付けください。
抜け落ちる毛の対策として
極薄の不織布で出来たシャワーキャップみたいな商品が販売されています。
このキャップをかぶる事で、掃除の手間はずいぶん解消されますよ。
完全に抜け毛をシャットアウト出来る訳ではありませんが
特に睡眠時にはお勧めです。朝、枕周りの抜け毛の本数が断然違います。
で、抜け落ちた毛の処理は
粘着のコロコロを使うよりは
むしろ梱包に使うクラフト紙製のガムテープが良いのかなと思います。
布製のテープは粘着力が高すぎます。
いずれにしても、使い始めは、
一旦、カーペットなど丈夫な布面に一旦貼り付けて
毛ばを粘着面に付着させてか粘着力を落としてからお使い下さい。
特にフローリング床面などは。
コロコロだと大量の髪の毛が引っ付いて
直ぐに粘着力がで落ちてしまいます。
ガムテープでこまめにペタペタするの方が効率がいいように私は思いました。
コスパ的にも。
更なる抗がん剤治療
2020年8月下旬
髪の毛が抜け落ちて1か月を過ぎた頃
2回目のHTーMTX療法を受ける為に
三度の入院。
まだはっきりとした実感とはいきませんが
本当に薄っすらと産毛が生えだした感じ。
自分にしかわからない微かな変化。
せっかくの、この子たちともおさらばか…
完全に諦めムードです。
2回目のHTーMTX療法で
もし、三度目の脱毛が生じたとしても
見た目には大差はないはず。
ですから気楽ではあるんです。
ですが、幸いにも?
1回目のHTーMTX療法と同じく
今回の HTーMTX療法 でも
新たな脱毛の副作用は見られませんでした。
HTーMTX療法 においても
懸念される副作用には、脱毛が記載されているんです。
1か月前に生じた、一挙の脱毛。
そのダメージから回復出来ていないであろう毛根たち。
むしろ、そのダメージの影響で
毛根の活性が弱り、まだ細胞分裂が活性していない
抗がん剤が攻撃しない、元気のない弱い細胞たちなのかも知れません。
何なら、1割程残ってくれていた残毛たちも抜けてくれれば
「スッキリするかもな」と、強がった覚悟はしていました。
脱毛に際しては
【 覚悟 】という言葉を選んでしまうんです。
【 期待 】という言葉を使うには馴染みません。
とはいっても
ほとんど抜け落ちて髪の毛の残っていない頭皮です。
極薄い産毛たちが
HTーMTX療法の副作用で抜けていたのかも知れません。
近視で老眼がかった私の目では
気が付くことが出来なかっただけなのかも知れません。
この事で、新たに生える時の生え方のスピードに違いが生じて
掃除機で吸い込んだことが悪かったんだ?
そう思った原因になったのかも知れません。
でも、気丈に、抗がん剤の影響を受けず
当初から残っている髪の毛たちも
少しはいてるんです。
この子たちは今回も無事でありました。
生えそろうまでには4~5か月かかりました
月日は流れ
2020年11月
一挙に抜けた時から4か月が経ちました。
この頃になるともう随分と髪の毛は生えそろってきたんですが
掃除機や粘着テープで強制的に抜き取った箇所なのか?
所どころのエリアでの発育の遅れを感じ
少々いびつな感じを受けます。
生えそろうといっても
頭皮が直接見えない程度に生える感じで
女性であれば初めの初めの第一歩にはなれないでしょう…
そんな程度ですが、男性であれば十分なんです。
ですが
自業自得的結果なのか
部分的に不揃いな発毛箇所が散見されていて
やはり帽子は必需品なんです。
ご批判があるかもしれませんが妻との会話を振り返ります。
私は
『抗がん剤治療の副作用で脱毛してしまうことは
何も隠すべきことではなく、髪の毛の生え方が不揃いであろうが
帽子をかぶって隠す必要は無い。』
こう考えるのです。
しかし、妻は
『何も、自らを好奇の目に晒す必要はないじゃない。
あの人は病気なんだと思われてほしくない。帽子は被るべき。』
こう言って譲りません。
そう言われてみると、確かに、自分自身にも経験があるんです。
病気の影響だろうと思われる頭髪の方をお見掛けすると
見てはいけないと思い、意識的に視線を逸らす自分を知っています。
このことが、妻の言う好奇の目だったのかも知れません。
その方を特別視して
普通の事として受け入れる事が出来ていない証です。
私はニット帽が似合うような顔つきではありません。
むしろ似合いません。
それでも居合わせる方々に要らぬご面倒をお掛けすまいと
帽子をかぶる事を選択しました。
人間って面白いなとつくづく実感します。
人間なのか私が面白いのか…。
自身の頭髪の状況はさほど気にする事なく
帽子無しを貫こうとしていたのに
帽子が似合うだとか似合わないだとか
そんな事は気になるんです。
鏡の前でつべこべ言っている私を見て
妻はいつも笑っていました。
「髪の毛は気にしないくせに、帽子は気になるんだね」と
妻の言う通り、確かに、帽子をかぶる私の頭部に
他の方々からの視線を感じる事は一切ありませんでした。
表現、言葉の選択が間違っているかも知れませんが
『他の方々の平静を乱さない事は大切な事なのかも知れないな』
『自分は病気だから仕方が無いんだ』
そんな思いを貫くよりも、調和を大切にして
自由奔放な振る舞いを慎むことの大切さを改めて実感するに至りました。
新たに生えてくれた髪の毛
髪の毛は一般的に1か月に約1cmほど伸びるとされています。
ただ、抗がん剤治療でダメージを受けた毛根ですから
その通り、1か月約1cmのペーストとは参りません。
それでも、あくまでも私の場合ですが、約1か月後からは
着実に生え始めている実感を得る事ができていましたよ。
2回目のHTーMTX療法を受けて退院した
2020年9月中旬
入院から約1か月、コロナ感染防止措置により
面会や日用品の受け渡しが制限を受けていました。
迎えに来てくれた妻は、毛量の変化に驚いており
感覚的には6~7割程、頭皮を覆うように生えて来ていると。
まだまだ地肌は十分に透けて見える訳ですが
妻は今回もきっちりと生えて来てくれた髪の毛に安堵した様子でした。
ですが、帽子は必須アイテムです。
で、更に月日が進み
2020年11月頃
もう9割程の頭皮が髪の毛に覆われ
散髪に行くことが出来れば帽子をかぶらなくても
みなさんに怪訝な思いをさせる事も無く
少し髪の薄くなった人で通用するレベルに回復。
でも、世の中は、コロナ禍の喧騒が止まず
不安心理が高まり続けます。
コロナの罹患者が1日に1,000人を越えそうな勢いの最中。
そんな中で散髪に行く選択を行うことは出来ません。
ただ、この頃になると
髪の毛の異変が徐々に目立つようになり始めました。
強い癖が現われ
いわゆる天然パーマーの状態。
天候が悪くなるであろう前日から当日
そのクルクル具合は最高潮に(笑)
全然構わないんです。
これぐらいの事は。
ただ、慣れない変化に
面白いのやら、気になってしまうやら。
ただ、髪の毛に癖が付いた事で
長さの不均一がそれ程気にならなくもなり
良い事もあったんです。
ここまで戻ってくると勝手なもので
頭髪に関して気にする事もなくなり
後は、コロナが収束をまつばかり。
散髪に行くことで
長かった抗がん剤治療などを
一旦リセット出来る思いがしたんです。
2021年3月中旬
コロナの緊急事態宣言が解除になりましたが
何だか又ぞろ増加傾向に。
今しかない。
そう決めて念願の散髪を敢行。
私に残る抗がん剤の面影は
天然パーマ
手指・足指に残るしびれ感だけとなりました。
~ END ~
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